お子様の卒業式や入学式、せっかくだから着物を着たいという方も多いでしょう。でも着物にも格式があり、間違うとマナー違反となってしまう場合もあります。マナー違反とまではいかなくても、場違いの装いになってしまう事も珍しくありません。また、着物には流行があるので、恥ずかしい思いをする可能性も。
そんな事にならない様に、今時の着物事情についてお知らせ致します。参考にして下さい。
1.卒業式と入学式、どちらが格上の装いとなる?
はっきりと、どちらが格上という事はありませんが、参列者の装いは卒業式の方が着物は多いようです。ですから「入学式の時は着物の方は少なかったから、本当は着物を着たいけれどスーツにしよう」と思って卒業式に行ったら、思った以上に着物を着てくる方が多くて残念な思いをしたという事もあります。
もし和服でお子様の卒業式出席を考えていらっしゃるなら、是非!着物はスーツやワンピースよりも丁寧な印象となりますから、お子様も喜んで下さいますよ。
2.式典にふさわしい着物は何?
卒業生の担任が女性の場合は、今はほとんどの先生が袴をお召しになります。大切な担任した子ども達の門出を見送る、という気持ちなのかも知れません。袴は華やかながらも清楚な雰囲気があり、先生の装いとしてはピッタリ。でも、保護者が袴を着るのは難しいですね。保護者が和装とする場合は、フォーマル用の着物にした方が良いでしょう。
でもフォーマル用の着物にも色々あります。既婚女性で一番の格上の着物といったら「留袖」ですが、これは格上すぎます。卒業式は式典とは言え、主役はお子様。保護者の方は少し控え目な格の方が良いのです。
「留袖」の次の格の着物は「訪問着」です。未婚女性の礼装「振袖」は豪華な装いですが、「訪問着」はそれに続いて華やかな着物となります。裾や胸元に「絵羽模様」と呼ばれる続き柄があることから格式も高く、既婚・未婚に関係なく着られる便利さもあることから、幅広い層に指示されているのです。
「付け下げ」は「絵羽模様」はありませんが、柄はすべて上向きにするなどこだわりのある着物です。格付けは「訪問着」の次ですが、背中に紋を一つ付けただけで「訪問着」と同格になります。
式典で保護者の方がお召しになる着物であれば、「訪問着」か「付け下げ」がオススメです。無地の着物も紋付きであれば問題ありませんが、地味になりやすいので、帯や伊達衿などに工夫すると良いかも知れません。
3.今、人気の装いとは
昭和の時代は「紋付きの黒羽織」が人気の装いでした。その名の通り黒色の羽織です。羽織は室内で脱ぐ必要もないので、着物が無紋でもOK。色無地や小紋でも、羽織さへ着れば略正装となる、便利なアイテムでした。でもこれは昭和の一時期に大流行しただけで、今は持っている方も少ないと言って良いでしょう。
今、式典で人気の着物は「淡い色」です。濃く華やかな色よりも、少し控え目な淡い色、ピンクやブルー、イエローなど爽やかな地色が好まれます。模様もあっさりとした祝儀柄の方が、子どもに付きそう母親らしい雰囲気で、周りからも好感をもたれるものです。
豪華すぎる色や模様は、目立ち過ぎるので、保護者の装いにはふさわしくない場合もありますから注意して下さい。※落ち着き過ぎると老けた印象になりますからNGです。
5.まとめ
着物には色や柄だけでなく、小物にも流行がありますが、頻繁に着物を着ない方には難しい事もあるでしょう。心配であれば、着物屋さんに相談して下さい。その際、お手持ちの着物や帯、草履やバッグなども持って行って、式典にふさわしいコーディネイトを決めていただくのもオススメです。プロの意見を参考にして、お子様の卒業式や入学式に行ってみましょう!
着物レンタル・浴衣レンタルならお任せください