正絹の着物を片付ける時、ベンジンを使いましょう!

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訪問着や留袖をタンスに片付ける時、あなたは大丈夫ですか?これらのフォーマル用の着物は、ほとんどの場合正絹という高級素材で仕立てられています。正絹を素人が扱うのは難しいので、注意しましょう。

例えば一度着て外出した正絹の着物があれば「汚れていないから」といって、そのままタンスに仕舞うのは危険です。着物は人が少し着ただけでも、衿や袖口に皮脂が付き、そのままにしておくと数年後にはシミとなって浮き出てくる場合があります。

本来であれば、季節の終わりには専門店にクリーニングに出した方が良いですが、難しい時はベンジンで拭いておきましょう。ポイントをお知らせします。

1.ベンジンと白タオル、ガーゼを用意します

ベンジンは薬局やドラッグストアーに普通に売っていますので、事前に購入しておきましょう。思ったよりも大きい瓶かも知れませんが、揮発性なのですぐになくなりますから大丈夫。まず1本用意して下さい。

2.汚れの確認をしましょう

フォーマル用の訪問着や留袖は、広衿となっていますので、まず折ってある衿を広げてみましょう。折り目にちょっとした汚れや影っぽいものが付いていたら、それが「皮脂」です。また薄くファンデーションが付いてしまっている事もありますね。ベンジンは油性の汚れ落としに有効なので、どちらも大丈夫。ここでシッカリ拭いておきましょう。

3.ベンジンで汚れを直接拭きます

まず白いタオルを着物の下に敷きます。次に着物を置いて、汚れを見えるようにしましょう。ガーゼにたっぷりとベンジンを含ませ、汚れた箇所をベンジンガーゼで叩きこみます。何度も叩いて、汚れが浮いてきたら、擦りましょう。ベンジンの跡をぼかすように広げて下さい。

「こんなにベンジンを付けて大丈夫?」と思っても問題ありません。ベンジンが着物の裏側に染み出るくらいでもOK。白いタオルに汚れを移し取るつもりで、汚れを拭きます。

4.その場で乾かします

ベンジンは揮発性なので、その場で着物をパタパタさせて乾かしましょう。汚れ取りが不十分なら、再度ベンジンで汚れを拭きます。

ただしベンジンは油性の汚れ落とし専門です。水溶性の汚れや変色などには対応できないので、注意して下さい。

5.衿拭きが終わったら、左右の袖口も

袖口の裏側にも皮脂は付いていますので、こちらも同じタイミングで拭いておきましょう。特に手首が当たる所は、念入りに。ベンジンで拭き終わったら、着物をハンガーに掛けて数時間~一晩干します。湿気を飛ばしたら、たとう紙に包んでタンスに仕舞って下さい。※干しっぱなしは、型崩れの原因になるので止めましょう。

6.ベンジン使用の際、注意すること

ベンジンは臭いもキツイので、必ず広い部屋か換気の良いところで作業しましょう。気分が悪くなったら、窓やドアを開け場所を移動して下さい。

また、火気厳禁なので、灯油やガス管の近くも避けるような注意も必要です。

揮発性なので、使用が終わったら蓋はシッカリ締めましょう。最初に、小鉢などに使う量のベンジンを入れてしまうのも良いかも知れません。

7.色落ちもチェックです

ベンジンで色落ちする着物もあります。また輪ジミとなってベンジン跡が残る生地もない訳ではありません。

初めてベンジンを使う着物は、目立たない箇所でベンジンで拭いて、色落ちが無いか、跡が綺麗かどうかを確認してみて下さい。色落ちの場合は、使ったガーゼに色が移るかどうかを見るので、必ず白いガーゼを用意しましょう。

8.まとめ

正絹の着物を着た場合は「必ずベンジンで拭く」ということを習慣にしておきましょう。ちょっとした手間を掛けることで、着物は長持ちします。お気に入りの着物は、大切に扱い楽しんで下さいね。

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