着物をレンタルするのも一般的となってきました。でも、借りる場合も着物の種類で向き・不向きがあります。今回は、着物をレンタルする際に注意するポイントをお知らせいたします。
1.振袖はレンタルに向いている着物です
未婚女性の第一正装と言われるのが「振袖」です。二十歳の集いで着るだけでなく、結婚式など「ここぞ!」という時に着られる、最強のアイテムと言っても良いでしょう。実は、この振袖のレンタル需要は高く、二十歳の集いで着られる振袖の半分はレンタルとも言われています。
一番の人気の理由は、振袖を購入しても着られる回数が少ないということです。二十歳の集いの他、親戚や友人の結婚式、卒業式、格式あるパーティーなどで着られますが、それも未婚の間だけですから、回数にしたら2~5回くらいかも知れません。
振袖は3回着られるなら購入しても良いけれど、2回しか着る機会がないなら、レンタルの方が安いというデータもありますから、レンタルを選ぶ方も増えてきています。
振袖をレンタルする場合は、予約の時期に注意しましょう。もし二十歳の集いに着る為レンタルするなら、遅くても前年の二十歳の集い直後から夏前までに動く必要があります。着物フェアーやキャンペーンで探すのも良いですが、老舗呉服店に相談するのも一つの方法です。ご自分に似合う1枚を見つけましょう。
2.レンタル人気が高まっているのが訪問着
未婚・既婚に関係なく着られるフォーマルな装いが、「訪問着」です。長く着られるということから、費用対効果を考えて、訪問着を作る方も多いのですが、最近はレンタルも人気となってきました。
実は、訪問着にも流行があります。昭和の時代の訪問着は、オレンジ色や紺色といった濃い色味が多く、上半身の模様はワンポイント程度のシンプルな柄が主流でした。それが平成となるとピンクやイエロー、スカイブルーといった淡い色が増え、令和の今は、淡い色に華やかな柄が付けられるようになってきています。
長く着られると思った訪問着も、十年以上経って実際に着ようとしたら、古くさい印象となっているので、結局レンタルした・・・という事も多いのです。
訪問着を選ぶ際は、「どんな立場で着るのか」をしっかりと考えましょう。例えば、格式あるパーティーで訪問着を着る時でも、ホスト側とゲスト側では格が違います。ホスト側なら吉祥文様など格式の高い模様が良いですし、ゲスト側なら少し控えめな柄がお勧めです。色々選べるのがレンタルの魅力ですから、おおいに利用して下さい。
3.今は結婚式の黒留袖もレンタルで
結婚式に親族の既婚女性が着る「黒留袖」。これも最近はレンタルが人気です。
黒留袖に大きな流行は有りませんが、着る年代は選ばなくてはいけません。裾模様が上から全体に広がっている品は若い方向けで、下の方にまとまっているものは年配者用と言われています。つまりご自身が結婚した時に作った黒留袖は、兄弟姉妹の結婚式には着られても、ご自分の子供達の結婚式に着るのは若々しすぎて似合わないということです。
新郎新婦の母親として、落ち着きある装いにするため、年代に合わせた黒留袖を着たい・・・そんな事から、黒留袖の人気も高まっています。
レンタルする時ですが、結婚式では記念写真が付き物です。実は黒留袖の黒色も写真によっては茶色に写る場合もあるので注意しましょう。今はスマホで簡単に写真も撮れますから、気になる黒留袖を選んだら何枚か写真を撮って、地色を比べてみると良いでしょう。
4.まとめ
着物のネットレンタルも増えてきましたが、初めて借りる場合は実物を見てから決めることをお勧めします。着物を選ぶ際は、色や肌触りの確認も必要ですし、似合うかどうかも実際に着てみた方がハッキリと分かるものです。
ネットレンタルも事前に試着ができるショップが出てきましたが、呉服店に行ってプロの意見を聞くのも参考になりますよ。色々探して下さいね。