寒い季節ならウールの着物、その魅力に迫ります

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ウール素材の着物、ご存じですか?昭和の時代に一世を風靡したウールですが、最近また人気が復活してきました。今回は寒い季節にこそ着てもらいたい、ウールの着物をご紹介します。

1.ウールって何?

「着物の素材は、絹や木綿、麻や化繊は耳にするけれど、ウールって何?セーターやストール、マフラーと同じもの?」と思う方も多いかも知れませんね。そう!ウールとは「羊毛」で、もともとは洋服などに使われる天然素材の生地と同じと思って下さい。軽くて暖かく、着ていてホッとする着心地の良さは他の素材にない魅力があります。

2.カジュアルな普段着、それがウールの着物

着物の格から言うと、ウールは木綿などと同じ普段着となります。デニム感覚で、近所のお買い物などに着ていくのに丁度よい着物なのです。比較的厚い生地ではありますが、裏地を付けないで単衣で仕立てる事が多いため、モコモコせずスッキリと着こなせます

ウールは「染色しやすく、色落ちしにくい」という特徴があるので、自宅でもお洒落着用洗剤などを使えば、簡単に洗濯も出来ます。さらに普通に干しても、裏地を付けていないので、表地と裏地がゆがむという事もありません。そして他の着物と違い、シワにもなりにくいのです。もちろんお値段もリーズナブルメリットが沢山ある着物です。

もちろんデメリットもあります。一番は「虫食い」です。不思議かも知れませんが、フォーマル用の着物の素材「正絹」は、虫に食べられて生地に穴が開くという事はめったにありません。でもウールは違います。

洋服と同じで、気を許すと穴が虫食いにあい、あちこちに穴が開いてしまうのです。そうならないために、ウールの着物を保管する時は、必ず防虫剤を入れておいて下さい。また、絹の着物は虫食いにあうことは少ない素材ですが、ウールと一緒に仕舞うと、ウールに付いた虫が正絹の着物に移動する場合もありますから、同じ引き出しには入れないで下さい。

柄のシンプルさも、デメリットと言えるでしょう。生地を染めて模様を付ける着物は、様々な柄がありますが、ウールは織りの着物なので、無地か格子、縞模様などが中心となります。華やかさよりも、ジーンズを履いた時のように、シンプルなお洒落を心がけると面白いですね。

3.アンサンブルを楽しみましょう!

昭和の時代に人気だったウールの着物は、着物と同じ生地で羽織がセットとなっていました。着物と羽織を重ねる事で保温効果も増し、さらに後ろの帯結びが隠れる事から、気軽に装える着物だったと言えます。

今の時代にアンサンブルをお勧めする理由は、もう一つ。「裄(ゆき)の長さをカバーできる」という事です。

裄とは、腕の長さを言いますが、最近のお嬢様方は手足が長くなってきました。女性の着物の長さは、おはしょりで調整できますが、腕の長さは違います。着付けでカバー出来ないのが、腕の長さなのです。

ウールはカジュアルな着物ですから、フォーマル用の着物よりも手首が袖口から出ても大丈夫と言われていますが、気になる方も多いでしょう。そんな時は羽織を少し肩から落として着ると、袖が長くなって手首まで隠れますから試してみて下さい。

肩を落としす事で、羽織の着心地が悪くなるなら、羽織の紐をずらして付けなおすと良いかも知れません。共布で作ってある羽織紐は短い場合もありますから、そんな時は別の羽織紐を合わせるのもお洒落です。

今はショールやカーディガンに合わせられるタイプもありますから、ご自分の好みで選んでも楽しいですよ。

4.まとめ

 
お値段も手頃で、自宅で洗濯もできるし、着心地の良いウールの着物は持っていると便利です。秋から冬にかけては丁度ウールが活躍できる季節ですから、是非1枚探してみて下さい。

お店に行って選ぶのも良いですが、案外お母様やお婆様のタンスに眠っているかも知れません。まずは普段着から着物に挑戦するのも面白いですよ。

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