訪問着は華やかで、既婚・未婚に関係なく着られる便利な着物です。結婚披露宴やお子様の様々な式典でも着られるフォーマルな装いとなります。
最近人気なのが、レンタルです。着物だけでなく、帯や帯揚げ・帯締め、長襦袢etc.セットのものも多いので、後始末も簡単という事からリピーターも増えています。
でも訪問着ならではの注意事項が、実はあるのです。今回は、知らないでレンタルすると後悔する・・・そんなチェックポイントをお知らせします。
1.訪問着は柄付に要注意!
訪問着には「絵羽模様」があります。これは縫い目をまたいで柄が繋がるようになっている模様で、これがあるのは「振袖」や「留袖」、そして「訪問着」だけです。
模様を一枚の絵のように仕上げる事は、高度な技術を必要とされるため、着物の格式も高くなり、価格も他の着物のと比べると高額となっています。絵羽模様が、裾だけにあるのが「留袖」、衿や胸、肩や袖にもあるのが「訪問着」や「振袖」です。
訪問着をレンタルする際に気を付けていただきたいものの一つのが、「衿と胸」の模様です。訪問着の中には、衿には模様がなく、胸だけにワンポイント模様があるデザインのものもあります。裾に絵羽模様があれば、それは訪問着ですが、上半身だけみれば「付け下げ」にも見えるのです。
付け下げは、セミフォーマルの格付けとなりますから、訪問着に比べるとランクダウンしてしまいます。結婚式披露宴は、テーブルに座ってお食事をする事が多いので、上半身だけ見えることも少なくありません。せっかく訪問着を用意したのに、格下の付け下げに見られるのは残念ですから、注意しましょう。
全体的に柄が入っている訪問着も、実は難しいものです。一般的に訪問着の上半身の模様は、左側に集中していて、右側は無地や地模様だけのものとなっています。ただし、最近は左右に模様がある華やかな訪問着も増えてきました。
もちろん、右側の模様も衿や胸の柄がつながっていれば問題ないのですが、この模様が離れていると「小紋」と同じになってしまいます。小紋はお洒落着扱いとなるので、結婚式や式典に着ていくのはマナー違反とも言われてしまいますから、小紋と間違われたくないですね。
もし、上半身の模様がある訪問着であったら、柄がつながっているかどうか、必ずチェックしてください。
2.伊達衿もレンタルセットに入っているか確認しましょう
その昔は、上等の着物を着るときは二枚、三枚重ねて着る習慣がありました。そんな事の名残からきているのが「伊達衿」です。「重ね衿」とも言いますが、成り立ちから礼装用の着物には使うのが一般的です。衿元から少し見えるだけですが、色はインパクトがありますから、華やかさが増すので人気があります。
訪問着の時に、この伊達衿は付けなくてもNGにはなりませんが、「伊達衿は付けるもの」と思っている方も多いようですし、付けた方がスッキリ着こなせます。もし訪問着のレンタルで「何か物足りない」と感じたら、もしかしたら伊達衿がセットに入っていない可能性もあるので、確認しましょう。
3.半衿が真っ白は、レンタルっぽいです
長襦袢の衿に縫い付けるのが「半衿」です。衿元は汚れやすい箇所ですが、半衿は取り外しができるので、着物を着るときは事前チェックして、汚れていたら交換しましょう。とは言っても、半衿付けは時間もかかり面倒くさいと思う方も多い様です。
フルセットレンタルの場合は、この半衿も付けた状態で渡されますから、安心してください。
フォーマルの着物に合わせる半衿は、白色が基本ですが、最近の成人式の振袖は色が入った個性的な半衿が増えてきました。そして訪問着も、刺繍やワンポイントの入ったタイプが一般的になりつつあります。「パッと見は白の半衿だけれど、よく見たらこだわりがある」という感じです。
さすがにレンタルの半衿は、真っ白のシンプルなものが多いですから、もし「レンタルと知られたくない」と思うなら、この半衿に一工夫することをお勧めします。お洒落度が増しますよ。
4.まとめ
お祝いの席で着ることが多い訪問着も、流行はあります。今の主流は「淡い上品な色」と言えるでしょう。着る季節やシチュエーションに合わせて着物を選ぶなら、レンタルはとっても便利ですから、一度利用するのも良いかも知れませんね。